「マジックはYouTubeで学びました」と、マジシャンをめざす少年がいった。


最近わけあって、そこそこの人数の、マジシャン志望者と話をする機会に恵まれました。その話の続きです。

みなさん20才前半でした。つまり僕より年下です。自分のあとにも、マジックを志す次の世代が生まれるのは当然のことです。いままでもそうでした。

しかし今回は衝撃でした。たんに年下というだけでなく、マジックとの関わり方について、あきらかに違う点があったからです。明確な世代の違いを感じました。

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桜の季節にストリートマジックをした。|初心者のための戦略論

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、桜の大阪城公園にてストリートマジックをしました。

そう報告すると、いくつか質問をいただきました(なぜか最近演技についての質問が多い)。せっかくなので挑戦してみたいけれど、ちょっと勝手がわからないマジックプレーヤーもいるのかもしれません。なにかをするときは、ある程度、ロジックを組み立てたほうが安心できます。なのでそのとき考えた作戦をまとめます。

とはいえ、今回は、イベント会場にのりこんだだけです。私もストリートの専門家ではありません。いくつか本流とは違うこともあるかと思います。そのあたりはご容赦くださいませ。 続きを読む

トゥー・メニィ・セオリー|マジシャンはマジックを演じすぎている?

最近、マジックを演じる上で考えていることがあります。

・マジシャンはマジックを演じすぎではないだろうか?
・トリックはひとつだけ演じたときに最も魔法らしくなるのではないだろうか?

——というものです。

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平成の終わりに風について本気だして考えてみた

「しかし、実は、風はどこから来るわけでもなく、どこに吹いてゆくわけでもなかった。それが、風が砂漠よりも偉大な理由だった。いつの日か、誰かが砂漠に木を植え、そこで羊を飼うかもしれない。しかし、風を飼い慣らすことは、決してできないのだ」
「アルケミスト」パウロ・コエーリョ

 

2019年4月30日に平成が終わる|僕たちはなんの世代なんだろう?

 

朝、新聞をみて衝撃でした。当たり前のことですけれど、その当たり前のものがなくなる感覚でした。

僕は平成元年世代です。昭和というものを知りません。同時に、平成という時代とともに生きてきた——質は考えずに——ということはできるわけです。

よく「そうか。君たちは平成生まれかなのか」と年上の方におどろきの目をむけられました。それも終わるというわけです。次は、僕が、おなじ目を次の世代にむける番なのでしょう。 続きを読む

登場して30秒で観客とうちとけるには(マジシャンのアイスブレイク論)

 

 

 

 

 

 

 

 

「一つ秘密を教えよう」とガードナーが言った。「ちょっとした演奏のこつだ。プロからプロへの秘密伝授というところだが、実際は単純なことだ。それはな、聴衆のことを何か知っておけ、ということだ。何でもいい。今日の客は昨夜の客とどう違うか——自分の心で納得できることなら何でもいい。たとえば、ミルウォーキーにいるとする。自分に問いかけるんだ。何が違う。ミルウォーキーの客と昨夜のマディソンの客の違いは何だ。何も思いつかない? だったら考えろ。思いつくまで考えろ。ミルウォーキー、ミルウォーキー……。ミルウォーキーはいい豚肉を産することで名高い。うん、これでいい。舞台にでたら、それを使え。客には何も言う必要はない。ただ、歌うときに、それを心にとどめておくことが重要なんだ。目の前にすわる客は、うまい豚肉を食っている人々だ。豚肉に関しては一家言ある……。わしの言うことがわかるかな。そう思うことで、聴衆への手触りが生まれる。面と向かって歌ってやれる誰かになる、それがわしの秘密だ。プロからプロへ、これを伝授しよう」
「夜想曲集」カズオ・イシグロ

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